まあまあのペースで読み散らかしているんだが全然書けず、ほんとにメモのメモ程度だが読んだ順に記録だけ残しておこう。
最近よく見かける「原田マハ」という作家の作品をどれか一本読んでみようと手に取ったのがこれ。
タイトルから旅行にまつわる人情系のお話だろうと想像していたが、だいたいそうだった。
ただ、旅人を受け容れる側でなく旅する側が主人公。
斜陽アイドルタレントとして旅番組のレギュラーをつとめるこの主人公の名前が丘えりか。なるほどそれで旅屋おかえりってわけだ。
さほど人情ベロベロってわけでもなく、今風の感覚もちゃんと盛り込まれつつ、芸能界の厳しさやら生きていくことの大変さなどもほどほどに語られ、筆はていねいにライトで非常に読みやすかった。
先の展開が気になってってほどではないのに、すらすらと気が付けば手に取って読み進めるって塩梅で、楽しく一気に読み切った。
旅情たっぷりに情景が描かれるって感じはないため、旅先の情景を想像して行ってみたい!って気持ちにはならないし、実際の風景として脳裏に残っているものもないんだけど、不思議と「旅行」には行きたいなって思える読後感だった。