まさか書籍の紹介でこの人の名前を書くことになろうとは。
ボクらの世代じゃ知らない人もいなかろう、一世を風靡したバービーボーイズというバンドのギタリスト、いまみちともたか氏の(たぶん初の)エッセイ集。
バービーについて書くと長くなりそうなのでさらっと流すが、小学生の当時、楽曲を知る機会はほぼテレビ番組に限られていたわたしはバービーとの出会いは遅く、√5をカセットテープで購入したのが最初。
今見てもジャケット素敵すぎ。このすさまじくカッコいいコンセプトのバンドのほとんどの詩曲を書いているのがいまみちともたか氏。
小学生の当時にはかなり刺激が強かった、ゆえに印象に強く残った。
いまだにしょっちゅう歌ってる
時は流れ、インターネットの恩恵でそうした昔日遠くに憧れたあんな人こんな人の「作品でないもの」に触れることができるようになった。
SNSとかがそれだ。
作品でないものに触れる=人間性に触れることでもある。
もともと音楽に対する興味値はそれほど高くないが、言語には(無駄に)敏感なわたしにとって、氏の書くもののおもしろさに惑溺するのは自明の理だった。
そりゃそうだ、作品の詩だけ見たって氏の言語センスはすさまじい。
というわけで、音楽を生業になさってる氏の「書くもの」がたまらなく好きなわたしにとって、エッセイ集発売というニュースは非常な喜びと驚きを伴っていた。
しかもこの本、煽り文がすんげー面白い。
SF調の作品紹介然とした裏書が発売前にどっかに載っていて(注:SF=そうとうふざけた)、それでもういったいどんな本を書いたの!?って発売日を心待ちにしていた。
というか本の発売を楽しみに待つなんていつぶりだろ。
あまりにおもしろすぎる煽り文でものすっごい奇天烈な本を期待してしまっていたのですが、結論から言うと普通のエッセイでした。しかもギター好きさんに向けた。
ただし、言うまでもないがその筆はさすが。あっという間に一気読みしたよ。
あの煽り文はマジでJAROに電話してやろうと思うレベルだったが、冷静に考えて音楽を扱う会社で出版してるんだから、まあそうだよな。
でも氏ならやりかねないというか、そんなんもむしろ読んでみたいというか、願望に近い気持ちでハードル上がっちゃった部分はあったかも。
時代を生きてる粋なオトナの、うっかり触るとスパっと切れちまう、愉快で爽快なエッセイ集です。氏を知らない方にも、音楽に興味がない方にも、筆の質の良さゆえ安心しておすすめできます。
ぜひぜひまた次を、もっとボリューミーな感じで、ふわっとした要望ですがつまりもっとたくさん読みたいです、はい。
あとトークイベントの告知、もちょっとだけ早くしてほしかったよ、くー残念!
もちろん音楽も好きですよ!←
夢中で読んだけど仕事柄一か所だけ問い合わせ入れたい箇所があったな。