「吾輩も猫である」は2016年新潮社、夏目漱石没後100年&生誕150年記念出版の企画モノ。
著作陣は赤川次郎、新井素子、石田衣良、荻原浩、恩田陸、原田マハ、村山由佳、山内マリコ。
猫視点で書かれた短編集だが、期待したほど「コレは!」ってのは正直なかった印象。
良くも悪くも印象に残るのはやっぱり赤川次郎。どこまでも赤川次郎。
もはや文章の良し悪しとか云々どうでもよくて、赤川次郎はあれでいい。あれが赤川次郎というジャンルだ。
ほんとうにストーリーもヒドイしおもしろくないのに読めちゃう。するする読めちゃう。
スゴイとしか言いようがない。
新井素子の妾は口調がよかった。
石田衣良の「ココアとスミレ」は今回の中では個人的にいちばん好きだった。ネコの世界をネコの体温のまま軽やかに描いてる。いやもちろん空想だからリアルとかそういう話じゃないんだけど、ネコ目線の情景が浮かんだって意味合い。
荻原浩は漫画枠。カワイイ。
恩田陸はネコ目線を通して人間を描きつつ尻尾が分かれていく描写は作者っぽい世界観なんだろうけど、わたしはまだあんまりこの作者の作風に慣れていないせいかあまり得意じゃないな。
原田マハ「飛梅」は実在する本屋の話ってことでほぼ実話を前提として読むとより楽しめるかも。読みやすくロマン寄りの文体は健在。
村山由佳、山内マリコの作品はそれぞれあまり印象には残らず。
アンソロジー系はコレがすごくよかったので、そういうものをわざわざ探して本作を手に取ったのだが
この「時ひらく」に比べるとちょっと面白さが足りなかったかな。
ネコしばりってのは案外難しいのかもしれない。
とはいえ、いろんな作家さんのものが一度に楽しめるって意味では、本好きな人ほど楽しめるものではあるでしょう。
