2008年の作品、全1巻。マガジン創刊50周年の企画モノ。
わたしは物心つくまえの幼女時代からずーっとマガジンを読んで育った。
父がマガジン派だったのだ。ジャンプを知ったのは中学生くらいになってから。
三四郎はもちろん「あした天気になあれ」「あいつとララバイ」「バリバリ伝説」、「コータローまかりとおる」は連載初回をまざまざと覚えている。
わたしの漫画生はまさにマガジンとともにあった。
そんな時代のエッセイ的コミック。
小林まことは普段の作品内でも(コンバヤシなど)、自分を模した、あるいは周りの誰かを模したキャラをしばしば登場させるため、いわゆるエッセイ漫画というよりはいつもの作品とあまり変わらないテンションで読める。
過剰にロマンチシズムに走らない、ある種淡々とシニカルに描かれる漫画家の日常はそれがためにいっそう壮絶に感じる。
そういうのを受け容れつつも「ま、そんなもんでしょ」と言いながら口元を歪めて煙草の煙をゆっくり吐き出す作者の顔が見えるようで、なかなか上質な作品に仕上がっていた。