1970年の作品。
わたし自身は子供のころに読んだことはなく、初読はがっちりオトナになってから。今回は二読目。
いわゆる子供向けの児童文学と呼ぶには違和感があったので読後に調べて納得、もともとはラジオ用ミュージカルの台本だったものを小説化したもの。
余談だがそのラジオドラマで主人公のひとりブンに声を当てていたのは黒柳徹子。いろんな意味でトットちゃん恐るべし…
ばかばかしいの極致。
子供のころに出会っていたら、良くも悪くも影響を受けていただろうなあ。
のりしろがありキリトリ線があり、果てしない言葉遊びがあり、表現というものはどこまでも「奔放」であってよい、と感じさせてくれる。
あくまで、「自由」ではなく「奔放」。
もちろんそれだけでなく、諸々の皮肉や批判、社会風刺やアンチテーゼ(使い方あってる?)なども盛りだくさん盛り込まれている。
知識が多ければ多いほど理解が深まり面白さが増すようになっている。
なっているんだが、基本どこまでもドタバタのナンセンス。
深読みの必要はない。単純に引っ張られて頭からっぽにして面白がればいい。
むしろなんらか意味を見出そうとして読むと読んでる方が頭おかしくなりそうになるので勧めない(←一瞬なった人)。
いまどきのお笑い、コントなんかの台本とかに近く感じる。著者がもともと劇作家、放送作家だということを鑑みれば当然なんだろうけど。
時代を感じさせるザ・昭和な記述は多くあるが、根底に流れているものって今も昔も変わらないんだな。
時代を象徴し、代表する、どこまでもバカバカしい一冊。
名著です。