児童文学、といっていいんだろうか。家人が子供のころ読んで泣いたと言う話をしていて読む気になった。
対象年齢は小学校中学年、3年生くらいからかな。
1979年のいわゆる「課題図書」。
原題は「Abandoned」、意味は「放棄された」。
素直に訳題をつけるとしたら「棄てられて」かな。
今回ネタバレ全開なので、読む気がある方はここで回れ右をお願いします!
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ハイ、えっとね。
もう滂沱、号泣、かわいそうの嵐!なのかと覚悟して読み始めましたが。
ぜーんぜん違いました。
なんかずっと肩透かし食らって、「?」「???」という違和感が拭えないまま話は進み、最後の最後で「そんな終わり方かーい!」って本ぶん投げたくなりました。
いやまあ、はじまりは捨てられたかわいそうな子ネコの話なんだけどさ確かに。
でも、しょせんはネコなんだよ。
野生に馴染むし、すぐ忘れるし、考えてるようで考えてないし、畜生なんだよ。
ちょっとヒドイ言い方だがそういう感じ。
小説とかでありがちな擬人化された同情を集めるような雰囲気のモノではなく、妙にリアル。実録というか、動物記と言えなくもない。
バカでたくましい。裏切られたせつなさかなしさはなんとなーくあるんだけど、それが人間みたいに明確じゃない。生きることがすべてに優先する。
そのリアルさはある意味面白かったし、作中不幸に見舞われ過ぎな猫を追えば冒険活劇と取れなくもない。
随所で「もういいじゃん、そこにいなよ!」とか「命がけで守った子供忘れちゃうんかーい!」とかもろもろホントにツッコミどころ満載で、はたと「うん、そうだよね、猫だもんね」って納得して、みたいな、最後までナナメになっちゃう感じの話でした。
舞台はイギリスの南の端っこのあたりで、荒野に生きるほかの生き物たちや植物の描写が細かく詳しく、それはオトナになったわたしにはよく書けていると感心するいっぽうで、多少退屈でもあった。
ラストはわたしにとってはホントに衝撃だったけど、最後まで結局泣く感じにはまるっきりならなかったなあ。
それも家人に言わせれば「オトナ目線だからだね」と言われ、なんとなく納得。
なるほど子供が読むと印象は全然違うのかもしれないな。
というわけで、わたしから「オトナの本好きさんたち」へはあんまりおススメ出来ない本でした。
…でも、ラストの本ぶん投げたくなる気持ちはある意味すごい衝動だったので、その一瞬のために読んでみてほしいかも…
子供向けだから1~2時間で読めるし。そう考えると結構おススメかも!
