時代ものは大好きだが、読みだすとそればっかりになっちゃうので特に長編系は無意識に読み控えている感じがある。
なんてことを言い訳にしているので歴史のあらましはものすごいいい加減にしか頭に入っていなくって、時系列も登場人物も脳内ではかなり適当。
竹中半兵衛も、名前は知ってるけど、どの役どころのヒトだっけ?
武市半平太とか黒田官兵衛とかがごっちゃになってるけど?
というわけで手に取った。
時代ものは鉄板で面白いので特に気にしていなかったのだが、これは気になった。
笹沢左保、苦手だー。
大昔に推理ものかなんかで手に取った時すごい苦手だなって思ったきりになってたんだが、素材間違いない時代ものでもこの人の筆は苦手だー。
もう50年くらい前に書かれたものだから仕方ないっちゃ仕方ないんだが、それでもすらすら読める筆の人がいることを思えば良し悪しだったり、相性はあるんだろうな。
わたしはすごいダメだった。
書き口調がくどい。
今仕事柄のせいもあるけど、もっとシンプルに言い切っていいよね?ってところを「~なのである」「~なのであった」とかを連発しすぎでキツイ。
説明が過ぎる。そうかと思うと要らない描写を延々挟んできたり、重要な部分を端折ったり、とにかく感性的に合わない感じ。
誰が読んでも同じ印象を持つかはわからんが、あくまで「わたしは」苦手って話。
とはいえ、それでも素材は面白いのは間違いないわけで。
そしてその素材を調理するって意味では、その空想力妄想力はやっぱすさまじいし素晴らしいと言わざるを得ないだろう。
竹中半兵衛という人がどういう人だったのか、の人物像が、この作品を読むことで私のなかにかなり明確に結べたからね。
色白の線の細い、何考えてるかわかんない気難しい美少(青)年。
彼を取り巻く信長、秀吉のキャラもだいたいはイメージを大きく外れず立っていて、いわゆる戦国もの時代ものとしては普通のレベルで楽しく読めた。
戦乱のむごさ残酷さへの描写はさほど多くはなかったけど、登場人物の個性というかキャラへの愛は感じられた。目をキラキラさせすぎだしニヤリとしすぎだが。
↑このへんは作者の癖が出るよね。どうしても書き手の好きな表現が多用されることがあって、それが案外読み手に気になってしまうというか。
つかわたしも癖あんだろな。つか、てのよく使うわ。
時代ものはほんとに面白い。
基本知識が足りてないからあれもこれも読みたくなる。
新しく読みたい本も、新しく出会いたい本も、もちろん読み返したい本も盛りだくさん過ぎて。
人生足りますかね。