◆出会ったころは幼すぎて
漫画好きなら知らない人はおらぬまい、コブラ。
アニメでは声を野沢那智氏が充ててる。映画版では松崎しげる氏で違和感あったなあ。あれはあれで好きだけど。
わたしのコブラとの出会いは非常に古い。たぶん幼稚園上がる前くらいだ。
亡父がよく言えばセクシー&アクション、ありていに言えばエロ&バイオレンスな漫画を好んでいた。彼の蔵書の中にコブラのコミックスがあったのだ。
正直そこまで幼いとエロものも暴力ものもまるで理解できない。
ただ、コブラは幼すぎるわたしを妙に惹きつけた。
二枚目とはいかずとも軽妙で魅力的な会話を繰り広げる主人公と、その相棒の女アンドロイドとの活躍は絵を追うだけでも楽しめた。
と同時に、SFが過ぎる描写の数々が軽くトラウマにもなった。これは後述する。
◆コブラとレディが好き過ぎる
ある程度大人になってから今に至るまで文句なしで大好き漫画ベスト10とかの上位に入ってきちゃう。うっかりナンバーワンと言いそうになる。いやべつに言ってもいいんだろうけど。
大好きの要因は大きく分けてふたつ。
ひとつめは、コブラとレディふたりのキャラクターがなんと素敵なこと。
もともとバリバリの二枚目だったらしきコブラが海賊暮らしに疲れて冴えないサラリーマンになろうと自ら記憶を消して整形までして、というのがスタート時の設定。
ちょっとデカ鼻で、ニヒルよりはコミカル寄り。
二枚目と三枚目のちょうど中間くらい。
冴えない自分にごちてた頃は定かじゃないけど、記憶が戻ってからの彼は実に魅力的。
どんな陰気も闇も黒い気持ちも全部もしゃもしゃ頭から食らって、キツめの冗談をコーティングして吐き出す。
ドミニクを失った時の慟哭のシーンは個人的には意外だったけど、たまに現れる黒い炎を燃え上がらせてるコブラも、それはそれでらしくて好きです。
手前味噌ですみませんがうちの旦那にすごく似てます、もちろん見た目じゃなくて性質の話(いらない情報)。
コブラにかかればどんな深刻な状態だって映画のワンシーン(そもそも創作だろってのはさておき)。
あれほどの鋼の体に鋼のメンタル備えてる、しかも一見陽気で面白い殿方に惚れるなったって無理なお話です(興奮しています)。
そしてそれをサポートするアンドロイドレディもまた素敵すぎる。
もとは絶世の美女で二枚目コブラの相棒。コブラの女癖の悪さもしょうがないわねと流しつつ、身の回りの世話からタートル号の操縦、ときにはかなり高レベルの戦闘までこなす文字通りのスーパーレディ。
空想の世界だからこそ描ける、最強で最高のコンビです。
◆想像の限界点をはるかに越えてくるSF力
大好きの要因もうひとつは、半端ないSF力。
いやなんか変な言い回しだが、デザインとかがもうね、大人になった今ですらこっちの想像の限界を軽く越えてきて理解できない。
どういう思考回路をすればそういうデザインとか世界が描けるのって。
支離滅裂なわけでもなく、でもなんかどっか壊れちゃってるっていうか、脳の理解力がついていけない。感覚的にはディズニーアニメのアリスに近いかな。
冒頭で触れた幼すぎる頃コミックスのコブラから受けたトラウマはいくつもあるんだけど、なかでも強烈だったのはウサギを追ったレースの話で月の目が開くと別の生き物に変えられてしまう星で出会った、おなかの鳥かごで小鳥を飼っている女性。
この絵にもうなんか言い知れぬ怖さと不気味さを覚えた。絵自体はとてもきれいで、女性もきれい、小鳥もかわいいのに。なんでこんなに怖いんだろう。
あとスノウ・ゴリラはなんか語感がすげー好きだった。
大好きすぎてこの先何回読み返すだろう。もういま読みたくなってるわ。