◆鉄板のおもしろ要素「FBI」
キャサリン・コールター著の「迷路」。FBIを舞台にした長編ラブサスペンスです。
ラブサスペンスってカテゴリの呼び方もどうかと思いますが、なかなかじょうずな呼び名が思いつきません。
活発で行動的な主人公と、序盤で出てくる小憎らしい感じの上司とが恋に落ちるまでそう長くかからないだろうと思っていたのですが、これが意外とじれったかったです。
いかにもな感じの殺人の舞台になる「迷路」の設定自体は、結局最後までいまひとつ「映像が目の前に広がるような」感覚にはなれなかったですが、ところどころの描写は映画のワンシーンのようでドキドキハラハラしながら楽しめました。
◆映像化したらより面白そう
映画化したら文字通り息もつかせぬ展開、なのだろうと思えましたが、文字だとむしろ唐突感が大きくてちょっとバタつき感がありました。あれ、これどういう状態?と思ってページを戻ることも数回ありました。
翻訳ものですし、そもそも舞台も想像がつきにくい異国の地ですので、なかなかダイレクトに伝わりにくい部分はどうしてもありますね。
むしろそれでもこれだけ楽しく読めるというのはたいしたものだと思います。
◆女子向けの冒険活劇
ラブを基軸としたいわゆる女子向けの冒険活劇系と言っていいかもしれません。
子供の頃に読んでた少女向け小説を彷彿とさせました。
女性が読むほうが圧倒的に楽しめるのではないでしょうか。
一気にラクに読めますし、世界に埋没できれば幸せ物質が脳内に出る感じになります。
「洋モノ」(←言い方!)はたまに読むと、時間を忘れて夢中になれますね。