筆が悪い。序盤の展開もものすごい無理やり。読み進めるのキツイかなーって思えるレベル。
だったのだけど、設定は面白く先がどうなるのか気にはなるので、思ったよりはスラスラ読めた。
途中ハラハラするシーンも多いのだけど、筆が追いついていない印象で迫る怖さがない。展開が理解できずさかのぼることも数度あった。
映像化したら面白いんだろうな、っていうかむしろ映像化前提で書かれてる?っていうか、もっと言うと「あんまり筆が達者じゃない人が映像を見て書き起こした」感じ。
ラストはだいたい想像通りだったけど、いろいろ粗も物足りなさも目立った。
ただ、あとがきで解説を読んでビックリ、そしておおいに納得。
この作者、これを執筆した当初までほとんど本を読んだことがないそうな。
そして自費出版から売れたのが本作だったそうな。
なるほどなるほど、確かにこれだけ筆が良くないと出版社も買うに買えないよな。
でも設定としては捨てるに惜しすぎる面白さだし、そういう道のりで売れたのがものすごい納得できた。
小説は書けば書くほどうまくなる、と個人的には思っている。
山田氏はこれがデビュー作のようなので、その後の作品は機会があれば読んでみたいかな。